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化学物質法規制に関するニュース(11/1)

定期的に各国法規制に関するニュース・トピックをお知らせしております。

■【EU】コンプライアンス・デジタル 2022年9月号 – 成形品におけるSVHCに関する企業コミュニケーションの簡素化

2022年9月7日、ドイツ環境庁とAskREACHチームは、ウェブ会議コンプライアンス・デジタルを再び開催した。AskREACHチームは、REACHに基づく情報義務について企業がより深く知るための経験やツールを共有しました。また、無料のAskREACHデータベースの実践的なデモンストレーションも行われた。プレゼンテーションの中では、企業は以下のような質疑が可能である。

– REACH第33条に基づき、企業はどのような情報を提供しなければならないのか。
– SVHCに関する消費者からの問い合わせにどう対応すればよいか。
– 欧州のAskREACHデータベースを無料で利用するメリットについて。
– サプライチェーンにおけるコミュニケーションをどのように改善すればよいのか。

<参考>コンプライアンス・デジタル 2022年9月号
https://www.umweltbundesamt.de/service/termine/compliance-digital-september-2022

■【UN】国連委員会は難燃性デクロランプラス(DP)とUV-328の世界的な使用禁止を勧告 

評価の起草を担当したストックホルム条約残留性有機汚染物質(POPs)検討委員会は、DPとUV-328は、POPsに関するストックホルム条約の下で世界的な行動を取ることが必要であると結論づけた。

– 両製品を条約の付属書Aに記載し、製造、使用、輸出入を禁止すること

<適用除外の提案>
UV-328については、自動車や産業機械のスペアパーツへの使用を期限付きで除外した上で、世界的に禁止することを推奨している。しかし、DPに関しては、航空宇宙や防衛用途、医療用画像処理機器や放射線治療機器の生産と使用については、特定の製品の安全要求が厳しく、代替期間が長くなるため、より長い期限付きの適用除外リストを提案している。また、DPについては、以下のような従来のスペアパーツに対する期限付きの特定除外を推奨している。

– 自動車;農業・建設用産業機械、林業機械を含む海洋・園芸・屋外用動力機器、航空宇宙・防衛用途、医療用画像処理・放射線治療機器

評価案は、2022年9月26日~30日にイタリアのローマで開催される次回のPOPs検討委員会で議論される予定である。

<参考>ストックホルム条約事務局
http://chm.pops.int/TheConvention/POPsReviewCommittee/Meetings/POPRC18/Overview/tabid/9165/Default.aspx

■【米国】ワシントン州が10種類の製品カテゴリーに関する一次草案を発表

ワシントン州政府エコロジー局は、グリーンケミストリー計画で評価された優先的な10製品について、規制と報告要件の草案を発表した。この発表により、ワシントン州は、電子機器に含まれる有機ハロゲン難燃剤(OFR)に対する世界で最も広範な規制と、より安全な代替品の最前線に立つことになり、推進者の言う他の要件の採択に一歩近づいたことになる。

<制限事項 >
●2025年1月1日より適用
– 屋内使用を目的としたテレビおよび電子ディスプレイ用のプラスチック製外部筐体で、一定の閾値以上のOFRを含有するもの。
– OFRまたは4種類の有機リン系難燃剤(OPFR)のいずれかを意図的に添加した特定の娯楽用ポリウレタンフォーム(カバーなし製品、カバー付きフロアマット、カバー付きフローリング、屋外用製品)。EHDPP、TNBP、TCP、TPPの4種類のOPFRを意図的に添加した製品。
– 意図的に添加されたPFASを含むアフターマーケットの防汚・耐水処理剤。
– 意図的に添加された PFASs を含むカーペットおよび敷物。
– 香料成分の溶剤または固定化剤として使用される意図的に添加されたオルソフタル酸を含む美容・パーソナルケア製品。
– オルソフタル酸を単独または複合で1,000ppm以上含むビニール製床材。
– 1,000ppm を超えるあらゆる APEを含む洗濯用洗剤(単独または複合)。
– ビスフェノールベースのエポキシライナーを使用した飲料缶の裏地(TMBPFベースのものを除く)
–  200ppmを超えるビスフェノール類を含む感熱紙。

●2026 年 1 月 1 日より適用
– 大規模事業者が提供する屋内使用を目的とした電子機器用のプラスチック製外部筐体で、特定の閾値以上の OFR を含むもの(テレビとディスプレイ用の筐体を除く)
– PFAS を含む屋内使用を目的とした革製および織物製の家具および調度品

●2027年1月1日より適用
– テレビやディスプレイの筐体を除く、屋内使用を目的とした電子機器用のプラスチック製外筐で、一定の閾値以上のOFRを含み、かつ小規模事業者によって提供されるもの。

<提案された制限と報告要件>

●電子筐体の制限
ワシントン州政府エコロジー局 は、6 月のウェビナーで受け取ったフィードバックに応え、電子ケースの OFR に関して提案された制限にいくつかの調整を加えた。これらの中には、2025年にテレビと電子ディスプレイから開始するために制限時期をずらすという提案があったが、大規模事業者にはさらに1年、小規模企業には2年間、他の電子機器のOFRを段階的に廃止する事が提案された。エコロジー局はまた、OFR の制限を導入し、製品に OFR を「含有せず」とする当初の計画から修正した。個々の OFR については 1,000ppm、OFR の組み合わせについては 1,500ppm の閾値を提案している。ボタン付きのデバイスに関する懸念に対処するために、部門は、重量が 0.5 グラム未満のプラスチック製の外部筐体部品を除外することも提案した。

●エコロジー局は、以下の想定を前提としている。
(A) 1,000 ppm を超える総臭素濃度は、1,000 ppm を超える意図的に添加された有機ハロゲン難燃剤の濃度を示す。
(B) 1,000 ppm を超える総塩素濃度は、意図的に添加された有機ハロゲン難燃剤の濃度が 1,000 ppm を超えていることを示す。
(C) リンを含まない 1,000 ppm を超える全フッ素濃度は、1,000 ppm を超える意図的に添加された有機ハロゲン難燃剤の濃度を示す。

●報告要件
草案では、実行可能な代替品がないことを確認した後、優先製品での次の化学物質の使用について通知を要求することを提案している。

– 屋外での使用を意図した皮革およびテキスタイルの家具および調度品に含まれる PFAS
– 屋外での使用を意図した電子製品のプラスチック製外部筐体の OFR
– OFR または OPFR EHDPP、TNBP、TCP、または TPPのポリウレタン フォーム製のレクリエーション用被覆壁パディング
– ビスフェノール系エポキシ食缶ライナー(TMBPF系を除く)。
  報告書は、製造業者または業界団体のいずれかによって提出され、2024 年 1 月 31 日までに提出され、その後は毎年提出されます。
  提出するデータの種類には、化学物質の名前と CAS 番号、各製品コンポーネントの総濃度とその機能、および提出機関の連絡先情報が含まれます。

<参考>ワシントン州政府エコロジー局
https://www.ezview.wa.gov/Portals/_1962/Documents/saferproducts/PreliminaryDraftRuleLanguage_Cycle1_August2022.pdf
https://ecology.wa.gov/Waste-Toxics/Reducing-toxic-chemicals/Safer-products

■【米国】OEHHA は、カリフォルニア州プロポジション 65 の下で発がん物質として 4 つの物質を追加する可能性

カリフォルニア州の環境健康有害性評価局は、ケミカル・ウォッチに対し、国際癌研究機関(IARC)による最近の結論を検討し、カリフォルニア州プロポジション65(Prop.65)の下で4つの物質を発癌物質としてリストアップすることを検討すべきかどうかを決定する予定と述べた。IARCは、以下の最初の4つの化合物を「主に実験動物における発がん性の十分な証拠に基づき、ヒトに対して発がん性がある可能性がある(グループ2B)」とみなした。5番目は、動物実験の結果と並んで、「ヒトに対する発がん性の限定的な証拠に基づき、ヒトに対しておそらく発がん性がある(グループ2A)」とされた。

– イソホロン
– N-メチロールアクリルアミド
– 1,2-ジフェニルヒドラジン
– ジフェニルアミン
– 1,1,1-トリクロロエタン

1,2-ジフェニルヒドラジンは1988年からProp 65で規制されてるが、Iarcの調査結果が「その他」の化学物質がリストに掲載される資格があるかどうかを判断することになる。

<想定される用途>
◆イソホロン
  用途 : 塗料、印刷インキ、接着剤

◆N-メチロールアクリルアミド
  用途 :
– 接着剤、製紙用バインダー
– 表面コーティング剤
– ワニス用樹脂、フィルム、サイズ剤
– 紙の湿潤強度と乾燥強度のための薬剤
– 繊維の仕上げ剤で、耐シワ性のための薬剤
– 帯電防止剤
– 分散剤

◆ 1,2-ジフェニルヒドラジン
  用途 :
– モーターオイルのアンチスラッジ添加剤
– 殺虫剤、殺虫相乗効果
– タバコの吸殻除去剤
– ゴムの再生における還元剤

◆ジフェニルアミン
  用途:
– 工業用酸化防止剤
– 染料媒染剤、試薬
– 農業分野では殺菌剤、駆虫剤として

◆  1,1,1-トリクロロエタン
  用途:
– 産業界では、溶剤として、また低温洗浄剤、蒸気脱脂剤として広く使用
– エアゾールスプレー、スポットクリーナー、接着剤、潤滑剤など、多くの家庭用製品に使用

<参考>WHO
https://publications.iarc.fr/611

<参考>WHO
https://monographs.iarc.who.int/news-events/volume-130-111-trichloroethane-and-four-other-industrial-chemicals-2/

<参考>OEHHA
https://oehha.ca.gov/proposition-65/chemicals/hydrazobenzene-12-diphenylhydrazine

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